玉手箱の煙で老いて倒れた浦島
どんな伝承か
昔話の浦島太郎には各地に類話があり、佐賀県唐津市で採集された話では、主人公が玉手箱を開けると白い煙が出て、たちまち老人になりばたんと倒れてしまうと語られる。秋田県仙北郡の類話では二百年後の故郷に戻ったと気づいた途端、体が溶けて骨ばかりになったといい、仙界と人間界の時間の異質性を、老いの一瞬の変化として描いた結末とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦)
『異界巡礼』は、小松和彦が著した民俗学の論集である。狐が人に化ける方法と如意宝珠、蓮如絵伝の異人、鬼退治譚と怨霊、家の盛衰をめぐる民話、夢信仰、巫女と陰陽道、洞窟や龍宮の他界観、人を神に祀る信仰、神隠しなどを、昔話・説話・絵巻・お伽草子と高知県物部村などでの調査をもとに論じる。論考と随想を部に分けて並べ、「民俗のランドスケープ」の部には妖怪、凧上げ、祓い、霜月祭り、呪い人形をめぐる小文を収める。