水戸黄門の独り言が名になった神崎神社の大木
どんな伝承か
神崎町の神崎神社境内にある、目通り九メートル近い大木の話。昔、水戸黄門が参拝したとき「この木はなんじゃ」と名を尋ねたが誰も答えられず、「はて、もんじゃ」と独り言を言ったのが名の起こりという。あるいは問われた者が分からぬまま「もんじゃ」と答えたからだとも伝える。『利根川図志』にも記され、利根川を行き来する舟唄にも歌われた名高い木で、社の下は船の難所だったため、船が沈むとこの木は一斉に葉を垂れ、悲しげな唄が聞こえたといわれる。同じ名で呼ばれた木は一宮町の玉前神社や睦沢の寺崎、市原市東国吉、天津小湊の神明神社、鋸南町の日本寺などにもあり、種類は一定しないが珍しい木として神聖視されている。
原典より
香取郡神崎町の神崎神社境内にあり、目通り九メートル近くに達する大木である。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。