熱い湯にたくわんを入れた増間の婿
どんな伝承か
安房郡三芳村増間が誕生地という増間の馬鹿話は、意外に各地へ流布している。君津市の久留里方面に伝わるたくわん物語もそのひとつである。むかし、増間では食後にお茶をのむとき、熱くて飲めない場合はそのなかにたくわんを入れてさましたという。こうしたことは各地で行われていたが、ある年、増間生まれの男が婿になって婚家に到着した。そこで手足を洗うための湯が出されたが、えらく熱かったので、考えた婿は大至急たくわんを持ってきてくれと頼み、それをザブリとたらいに入れ、これでさめたといって足を洗ったという。
原典より
安房郡三芳村増間が誕生地という増間の馬鹿話は意外に各地に流布している。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。