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釜の蓋に乗って流れ着いた釜神

所在地千葉県君津市貞元(釜神大明神)
年代伝承
登場—
出典日本伝説叢書 上総の巻

どんな伝承か

貞元村の釜神は、昔、釜の蓋の上に乗って海を流れてきて、この地に着いたのだという。そこで社を釜神大明神と崇め祀り、村の名もこれに因んで名づけられたと伝えられる。「房総雑記」には、百首の海岸にも釜神と称する厚さ八九寸、径六尺余りの鉄器が岸の上に置かれて鉄剣大明神と呼ばれ、昔海中から引き揚げて納めたものだとある。著者は、川や湖に鉄器を鋳て沈めれば水神が鉄を畏れて害を防ぐという中国の書の記述を引き、この地がまだ潮の激しい海原であった頃、水害を防ぐために鋳釜を海中に沈め、蓋を岸の上に安置したものであろうと推測している。里では竜王が海から上がったもの、あるいは昔の鳴釜の器だろうとも言い伝えている。

原典より

旧の貞元村に安置してゐる釜神(釜神大明神)に、建暦寺(一名一ノ宮)といふ真言派の寺院があるが、此の寺に、貞元親王の御影(正観世音菩薩は本尊像)一躯、親王の召し給ふたといふ革の履(一足)一、御筆(さとをたむといふ)自書(「…—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))

『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。

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