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神野寺修正会の割木打ちと福の種

所在地千葉県君津市鹿野山(神野寺)
年代貞享年間
登場次郎右衛門、五郎兵衛、重郎兵衛、神野寺住僧、鹿野寺門前の百姓・山論で梟首された、田倉村の百姓・山論で断罪された
出典日本伝説叢書 上総の巻

どんな伝承か

正月十五日の朝まだき、鹿野山の中・下二町の若者たちは樫の割木をふりかつぎ、旗を先に神野寺の堂の縁へ押し寄せ、堂内の鐘が響くのを待って一斉に縁を打ち、勝鬨をあげる。打ち砕かれた割木の粉は火災除けの守りとして家々に持ち帰られる。次いで福の種と称し、大豆を牛の角の形に包んだものを堂外に撒き、得れば豊年だといって信者が争って拾う。由来は貞享年間、訴訟に勝って帰る当寺の住僧が山麓宮下村の信者次郎右衛門の家に立ち寄り、供える食がないと聞いて、修正会の大豆を炒れば飢えを凌げると告げ、妻がそのとおり供えると、この家は長く穀物を出さずとも安泰であろうと言い残して姿を消したことによるという。

原典より

正月十五日、まだ夜の明けきらない朝まだき、鹿野山中・下二町(一名門前町)の若者等は、銘々に、樫の割木をふりかついで、一の旗を先へ、遠くから喚声と繰り込んで、神野寺の堂の縁に押し寄せ、其の年の鎮りを告げだすと、堂内の鐘の激…—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))

『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。

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