五鈷が飛来した法住寺の吼木桜
どんな伝承か
法住寺にある桜で、吼木桜とも呼ばれる。大同年間、空海が唐にいた頃に密具三つを日本へ向けて投げたところ、そのうちの一つである五鈷がこの寺へ飛んで来て桜の前に留まり、光を放った。以後五年のあいだ絶えず法華経を唱える声を発したので、この名が付いたと伝える。
原典より
大同年間、空海が唐にあつた頃、密具三箇を日本に向つて投げた處、その一つの五鈷は當寺に飛来して櫻の前に留つて光を放ち、五年の間絶えず法華經唱誦の聲を發してゐた。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。