山犬に七夜の親をした盗人厩
どんな伝承か
北安曇郡の三原には、盗人厩と呼ばれる八畳ほどの土窟があった。この穴で山犬が子を産み育てたと伝わる。馬が襲われるのを防ごうと、村人は庄屋に相談したうえで、山犬の子の七夜の親役を引き受けたという。田作りなどの肴を添えた小豆飯を炊き、俵の器に載せて巣の入口まで運び、奥へ差し入れる。残さず食べてしまえば障りはないが、食べ残しがあると気味が悪いといって、改めて供え直したと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。