泥と油をかける吐田境の地蔵
どんな伝承か
奈良県磯城郡川西村、北吐田と南吐田の境の四辻にある地蔵で、二百年ほど前に泥田の中から引き揚げて祀ったという。あまりに汚れているので泥を落として洗ったところ腹痛を起こし、ふたたび泥と油をかけて元どおりにすると治った。悪性のクサに悩む子のために母親が油や泥をかけて祈ると治ったといい、今もクサのために祈願する者がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。