田の中に立つ五本の石柱
どんな伝承か
海から七、八町ほど入った田の只中に、五本の石柱が立っている。中央のものが六尺三寸ほど、四隅の四本はやや低く、四隅どうしの間隔は八尺九寸から一丈一尺二寸あるという。石質は水成岩で、この土地から出るものではない。根は地下でひとつに繋がっていると言い伝え、これを石の木と呼ぶ。土地には猩々と浦島を混ぜ合わせたような伝説もあり、牛取川の船繋石だとする説も残る。
原典より
海から七八町離れた田の中に五本の石柱があり、中央六尺三寸、四隅のもの稍低く、四隅の間は八尺九寸乃至一丈一尺二寸ある。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。