最澄の雨乞いと善水寺の雷石
どんな伝承か
甲賀郡岩根村の岩根、善水寺の境内に大石がある。縦十九尺、横十八尺、高さ二十七尺という大きさで、中央の平らな面がくぼんでいて、いつも雨水を湛えている。延暦五年、雨乞いのため最澄がこの寺で祈ったところ、七日目の満願を迎えた日に、雷鳴をともなう大雨が降ったという。天神が岩の上へ降り立たれたのだといって神幸石と称したが、のちにこの岩へ雷が落ちたことがあり、それから雷岩と呼ぶようになった。
原典より
善水寺境内にある縦十九尺、横十八尺、高さ二十七尺の大石をいふ。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。