孝子が汲むと酒になった清水
どんな伝承か
伊具郡筆甫の古田に子は清水と呼ばれる流れがある。昔、この里に貧しい孝行者がいた。父は酒を好んだが買う金がない。せめてもと谷川の水を掬って差し出したところ、父の口に入るとそれは見事な酒に変わっていたという。孝心が水を酒に変えたという筋で、『伊具郡誌』に載る。似た話は各地にあり、親が飲めば酒、子が飲めばただの水だったとして親は諸白・子は清水と対にして語られることも多い。
原典より
昔、貧しい孝子が酒代に窮し、渓流の清水を掬んで父に奥へたが、立派な酒になつたといふ。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。