見えなくなった家の近くの森
どんな伝承か
明治の中ごろ、小斎の旧家で婚礼があり、折詰やお土産をもらっていい機嫌で雪路を帰ってきた男があった。ところが家の近くにあるはずの森が見つからない。いくら探して歩いても見つからず、気がつくとまた元の場所に戻ってきている。それでよく落ちついて見なおすと、そこにはちゃんと森があった。家に着いてみると、土産物はみんな無くなっていた。そこはしばしば村の人たちが道に迷わされる所で、狐が騙して食べ物を巻き上げるのだといわれていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)
『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。