三ノ谷で殺された彦山山伏を葬る塚
どんな伝承か
嘉穂郡幸袋町の庄司に、長さ六間、幅一間ほどの細長い塚がある。彦山の山伏たちが宗像大宮司のもとへ祈願に赴き、その帰り道、鞍手と嘉穂の郡境にあたる三ノ谷で山賊に襲われて三十人が皆殺しにされた。それを葬った跡だという。別の話では、宗像氏貞の娘が心を病んだので彦山から山伏を招いて祈らせ、娘は快復したが、山伏たちが供物とともに家宝まで持ち去ろうとしたため、三ノ谷で待ち伏せて討ったのだともいう。この塚に祈れば頭痛は必ず治るとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。