水車で遊ぶガワッパを邪魔した老人の熱
どんな伝承か
熊本県八代市植柳の話。二十年ほど前のこと、西川為八という人が夕方、田に水を入れようと水車小屋の近くまで行くと、水車が盛んに回ってごうごうと音を立てていた。人の姿は見えないのに水車だけが回るので、不思議に思って近づくと、ガワッパの一人が老人に気づいて水の中へ飛び込んだ。すると水車は止まり、ばちゃばちゃと河童の飛び込む音がして皆どこかへ行ってしまった。老人は驚いて逃げ帰ったが、すぐに高熱を出して一週間ほど重い病に臥せった。河童の遊びを邪魔したので罰が当たったのだと皆が言っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。