遠足ではぐれた子らとタイコばばあ
どんな伝承か
昭和十七、八年頃、岐阜県高山市の小野和子は、飛騨で『ガオロ』と呼ばれていた妖怪にまつわる体験を語っている。小学校五、六年のとき上岡本という所へ遠足に行った折、一行からはぐれた友人たちと山中にいると『タイコばばあが来た』という声がし、太鼓の音とともに白髪で大きな背負い籠を背負った老女の姿が見えたという。友人によれば、タイコばばあに捕まると背負い籠に入れられてガオロのもとへ連れて行かれ、その餌にされると言い伝えられていたそうだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。