泳ぎ疲れて口笛を吹く山の太郎
どんな伝承か
熊本県芦北郡日奈久町の話。山の太郎は川に沿って山に登って行き、泳ぎ疲れると口笛を吹くという。七十歳をこえたある老人は、十歳ばかりの時にこの口笛を確かに聞いたことがあると語った。この老人の話によれば、荒神様も山の神様も山の太郎の一族なのだそうである。丸山学『熊本県民俗事典』に採られた一条で、本書は河童の歌や口笛の話を集めた節にこれを収めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。