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浅草岳で道を失った熊狩りの夜

所在地福島県南会津郡只見町入叶津(浅草岳)
年代昭和十年
登場中野和夫、佐藤庄作、熊狩りの名手・体験者、同行者
出典現代民話考 1 河童・天狗・神かくし

どんな伝承か

会津から越後へ越える八十里越の、叶津川に沿った最奥の部落入叶津の熊狩りの名手中野和夫が語った話である。昭和十年旧正月十四日の夜、当時三十五歳の中野は友の佐藤庄作と、浅草岳中腹の小三本沢の沼近くへバンドリ撃ちに出かけた。途中で友の姿が見えなくなり、焚火をして一時間近く待った。戻った友は、ブナの枝陰から獲物らしいものが顔を出しては消え、追ううちに方向が分からなくなったという。天狗の仕業ではないかと尾根を越えると、知り尽くしたはずの場所に覚えのない広い平地が現れ、恐怖に襲われた。やがて大風雪となり方角を失ったが、とだえがちのカンジキの跡をたどって焚火の跡を見つけた時は生き返る心地がしたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。

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