天狗にさらわれ八つ裂きにされた子
どんな伝承か
能美郡の大樋の近くにある神護寺という所で生まれた阿婆の子に、徳サという男の子がいた。この子が六歳のとき天狗にさらわれ、行方がわからなくなった。母の里方である押坂にでも行ったのではないかと人をやって探させたが、来ていないという。いよいよ村じゅう総出で名を呼んで回ったところ、村はずれを流れる川の中に、八つ裂きにされて投げ込まれているのが見つかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。