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銀杏の大木の火の玉は狸だった

所在地山梨県南巨摩郡身延町
登場庄作、体験者、報告者(文)
出典現代民話考 11 狸・むじな

どんな伝承か

身延鉄道がまだ引かれていない頃、富士川沿岸の村々は水害に苦しんでいた。その頃、村端れの銀杏の大木に毎夜、四斗樽ほどの人玉がふわふわ絡みついているという評判が立った。血気の若者が大勢で様子を探りに出かけたが誰も正体を確かめられない。大酒飲みで一徹者の青年庄作は誰にも知らせず大木によじ登って夜を待ち、三つ又の先に大きな青い火の玉が浮いているのを見つけた。正体は自分の尻尾をつかんで左右に振る大きな狸で、庄作はまさかりで叩き落とした。古老は祟りを恐れて狸塚を作ろうと言ったが庄作は聞かず、その夜狸汁をこしらえたが誰も来なかった。旧家であった庄作の家はまもなく没落し、他国へ出稼ぎに出ることになったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))

『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。

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