枯れ葉を舞わせ雨音をまねるとんちぼ
どんな伝承か
松谷みよ子らがまとめた現代民話集には、狸やむじなが物音を真似て人を化かす怪異が各地の類話として並べられている。「話例三 雨の音」では、山中の小屋に泊まっていた男が、月の明るい晴れた夜にサラサラと雨のような音を聞き、窓の外をのぞくと「とんちぼ」(狸の方言)が枯葉を高く舞い上げて遊んでいたという体験が語られる。その分布欄には新潟県佐渡郡の事例も挙げられており、話者は多田ちとせ、聞き取りをした回答者は東京都在住の松谷みよ子と記録されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))
『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。