御嶽山五合目の看板脇に写った亡き祖母
どんな伝承か
東京都荒川区の中村朝之さんが雑誌に語った体験である。御嶽山の熱心な行者だった祖母は、脳溢血で三年ほど寝たきりの末、十三年前に六十八歳で亡くなった。死の前日、祖母は階段をはって降り、山に登るときの六尺棒と裁縫道具を二階へ持って上がり、翌朝安らかに息を引き取った。三年ほど後、行者仲間の勧めで御嶽山へ分骨することになり、中学三年の中村さんも両親と小さな骨壺を携えて山を訪れた。仲間の老人が撮った一行の写真のうち、寺へ着く前に休んだ五合目の山小屋で看板を記念に写した一枚に、看板の脇に立つ後ろ姿の祖母が写っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。