TBSの御岳人魂取材
どんな伝承か
著者が人魂を見た木曾御岳には、その後も雑誌社などから案内の依頼が来たが、場所を教えるから自分で行けと言うと、たいてい計画をやめてしまった。一九七一年、TBSのテレビの撮影隊がどうしてもと言い、山に不慣れなスタッフが現地に出かけた。夕方にカメラを据えて八時から十時過ぎまで見張ったが何も現れず、怖さと寒さに耐えかねて夜中を待たずに小屋へ逃げ込んだ。それでも小屋番や案内人の、何十個も見たという話を録音して番組にまとめたという。
原典より
夕方のうちにカメラをセットし、八時から十時すぎまで目を皿のようにして見張っていたが、何も出て来ないし、こわくて寒くてやりきれなくなって、…—— 山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・1990年(平成2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・1990年(平成2年))
『山とお化けと自然界』は、西丸震哉が旧著三冊と雑誌の一篇「ワシは安禄山」を編み直し、一九九〇年に文庫版あとがきを付けた随筆集である。「自然界はもちつもたれつ」「酒」「山」「兄との交信」の四部に、チョウや小動物、山や湿原の探検、酒と温泉の話とともに、横尾谷の岩小屋の幽霊、釜石の幽霊、木曾御岳の人魂、呪い殺しの実験、雨やみの術など著者自身の怪異体験をつづる。あとがきに『未知への足入れ』『山だ原始人だ幽霊だ』『山の動物誌』を元にしたと記す。