窓を叩いて米をねだるスズメ
どんな伝承か
著者はアパートの二階の窓に米を出してスズメたちを呼びよせていた。朝早くから暗くなるまでぞろぞろと押しかけ、ヒナがかえるころには親スズメが口にくわえられるだけ米をふくんで巣と窓とを往復する。子スズメは一粒の米を一時間もかけていくつかにくだき、大人のスズメが他人であっても口を大きくあけて甘えれば米を入れてやる。米がなくなると窓のすぐ外を垂直に何べんも飛んで催促し、気づかずにいると窓ガラスをコッコッとたたいて知らせた。近くの泉岳寺のハトが十何羽も集まってスズメを追いちらすので、窓の手摺りに針金を渡してハトが入れないよう工作したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・昭和(戦後))
西丸震哉『山とお化けと自然界』を篇単位で収録。完全装備で岩小屋前を通過する遭難者の幽霊目撃、木曾御岳の人魂たち、カラステングがタコを食う、亡き兄との交信やテレパシー(死者との通信)、幽霊の仮説・怪談といった山岳怪異譚を軸に、呪い殺しの実験・雨やみの術・日蝕と雨やみの術などの呪術、山の昆虫・メスネコの生涯・ヤマネとムササビ・ミミズク等の自然観察、酒・山旅・会津の秘境/栗駒山密林などの紀行随想を収める。