慈弁和尚を見舞った子狸の恩
どんな伝承か
明治元年、西福寺の慈弁和尚が、子どもたちにいじめられていた子狸を助けて逃がしてやった。十四年後、和尚が病に伏せると、一人の若い僧が見舞いに訪れ、十四年前に土橋で助けてもらった子狸だと名のり、ご恩は忘れないと言って去った。その夜和尚が亡くなると、寺の境内で激しく泣く声が聞こえたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))
『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。