伐った松の切り株に赤く写る法師
どんな伝承か
波多野家では、先祖が戦に敗れてこの地に落ち延びてきた際に持って来て植えたという松があった。松くい虫にやられて枯れ、倒れると危険なため昭和六三年に伐り倒したところ、その切り株に珍しくきのこが生え、当主が写真を撮ると法師の姿が赤く写り込んでいた。以前からこの松のたもとには法師が立つといわれ、村人が気味悪がっていたといい、先祖が松を伐ったことを法師が恨んでいるのではとも語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。