八ヵ国が見渡せる眺望の山にあった赤松を
どんな伝承か
昔の八国見山へ行く道にあった赤松を、渋沢の老人が切ったという。明治維新のとき、官軍が来るというので、そこを通れないように松を切って道へ落としたのだと、語り手は母から聞いている。八国見山は渋沢丘陵と曽我丘陵の合するところ、峠部落の東方に立つ小高い山で、秦野盆地では弘法山より高く眺望がよく、八か国が眺められるのでこの名がある。山には風情のある古松が三本あって旅人の目標となったが、昭和四十年頃、開墾と松くい虫の被害によって枯死してしまった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史・自治体史(民俗))
『秦野市史 別巻 民俗編』所収の妖怪・伝説(一〇〇話を七分類で収載)。神奈川県秦野市に伝わる口承を採録する。