明治初年のこと
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どんな伝承か
明治初年のこと。佐岡の芳という男が、夜道を一人急ぎ足で歩いていると、道ばたに蛍の火の何倍もある火が落ちていた。芳が好奇心からその火を追い立てると、火はスッと横に転んで丸木橋をするすると渡り、源坊という者の家の庭へ転び込み、縁へ飛び上がって障子の破れ穴からコロリと座敷へ入っていった。不審に思って耳を澄ますと、内から亭主の声で『えらい夢を見た。大滝の方へ遊びに行ったら西の芳が来かかり、いきなりわしにキセルを突きつけてきたので逃げ出したが、いくらでも追いかけてくる。ようよう逃げてきたが、しんどかった』と夫婦で話していたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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