寝たきりの婦人の魂が見た殺人
どんな伝承か
三重県尾鷲市で、ギブスをはめて寝たきりだった女性が、事件のあった夜、寝苦しさからこのまま外へ出たいと思っていると、ふと気づけば青白い球体となって体を抜け出していた。そのまま尾鷲の方へ向かうと殺人事件の現場に行き当たり、人魂の身では助けることもできず、そのまま犯人の男の後をつけていった。ちょうどその頃、犯人とすれ違ったハイヤーの運転手が、男を追う人魂を目撃していたという。後の警察の調べで、女性の証言した内容がすべて事実と一致していたと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。