死人道で眠った若者の後を追う火玉
どんな伝承か
高知県香美郡王子での話。王子の若い衆が夜遊びに出て酒を飲んだ帰り、死人道と呼ばれる所の手前で、一人が眠いと言って座り込み寝てしまった。置いていくわけにもいかず、仲間がその男を背負って帰る途中、何気なく振り返ると火の玉が後をつけてきていた。たまたま棒の先がその火の玉に当たると、背負われていた男が痛いと声を上げた。翌日その男は、死人道に置き去りにされ一人で帰る途中、五、六匹のお化けに石を投げられ木で叩かれ、やっとの思いで逃げ帰ったと語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。