矢浜の樋の口に祀られた狼宮
どんな伝承か
尾鷲の三木浦では十一月十一日に狼祭りといって、餅を搗いて狼を祭る。また矢浜村の樋の口には狼宮があるが、いまは山の神に合祀されている。坂場町の北山道路沿いの小高い丘には「狼除神」の碑があって、この狼宮には講がつくられている。『尾鷲市史』上巻の伝えるところで、山姥や山犬にまつわる条のなかに、狼を祀り、また狼を除ける信仰が、土地ごとに形を変えて残っていることが書き留められている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。