実を結ばぬと詫びた寺の大銀杏
どんな伝承か
明治頃の話。山形の大石田町のある寺に大きな銀杏の木があった。ある年、銀杏の実が枝もたわわに実り、子供たちが実を拾いに来ていた。一人の子供が銀杏の木に登り、実を取ろうとして足をはずし、木から落ちて死んだ。住職はこの銀杏がなければこんなことにはならなかったと、木を倒そうとした。ところが住職が寝ると誰かが揺り起こす。目を覚ますと、「和尚様、お願いです。子供を殺して申訳ない。今後は実を結びませんから伐らないでくれ」という不思議な声があった。その後、この銀杏の木は実を結ばなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)