氏神の杉を伐って生まれた焼き祭り
どんな伝承か
この土地には焼き祭りという妙な名の祭の日がある。戦後のこと、集落の代表者が氏神さまの境内に生えていた杉の木をすべて伐ってしまった。ところが間もなく、フェーン現象の起きた日の日中、ほとんど人のいない時間帯に火が出て、村の三分の一の家を焼いてしまった。火事の少ない山里だけにこの火事は衝撃となり、何となく神様のたたりだなどと言い始めて、焼き祭という日ができた。今ではそれほどの思いはないが、とにかくこの日は生きているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。