頼朝が帷子を干した帷子の郷
どんな伝承か
『駿東郡誌』によると、建久年間に源頼朝が富士の巻狩に向かう途中、中日向を通って大雨にあい、濡れた帷子を木の枝に掛けて乾かしたという。その木は大木に育ち、明治の前まで残っていた。このあたりを帷子の郷と呼ぶのはこのことに由来し、のちには片平郷とも書いた。その場所は富士スピードウェイ内の裏門近くの杉林の中といわれ、塚のような高まりがあって、かつては小さな祠が祀られていた。頼朝はこの祠で雨をしのいだと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小山町史 第9巻 (民俗編)(小山町史)
『小山町史 第9巻(民俗編)』は、静岡県駿東郡小山町の町史の民俗編から、口頭伝承の章の伝説の節を抜き出したものである。石子詰にされた忍びの若者・用沢小僧の伝えを出典ごとに並べ、むらの名の由来、金太郎ゆかりの地と石、仇討如来や鬼鹿毛馬頭観音、村境の決め方、竹之下合戦にまつわる伝えなどを収める。富士山麓と足柄山のあいだの町に残る、地名と社寺・石に結びついた言い伝えが中心である。