道で出会った白い大犬の三峯様
どんな伝承か
服部芳富の家では三峯様をまつっている。芳富の家がブクで、毎月十九日の三峯様の祭日に供え物を上げられないときには、頼まれた服部完一が代わりに供えていた。あるとき完一は道で、真っ白な大きな犬に出くわした。のちに芳富の家でその話をすると、それこそ三峯様だと言われたという。三峯様は耳がぴんと立ち、尾のふさふさした白く大きな犬の姿をしていて、出会っても少しも驚いたり恐ろしく感じたりはしないものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。