あだ名を記して生まれた子
どんな伝承か
昔、八和田の生まれで、青山の大尽の家に奉公していた人が亡くなった。仲間たちはいたずらに、その亡骸にその人のあだ名を書きつけた。するとやがて、ある家にそのあだ名が体に記された赤子が生まれた。亡くなった人を葬った場所の土を持ってきてこすると、その文字は消えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。