親鸞が埋めた焼き栗の三度栗
どんな伝承か
平林の西原にある墓地に、地面の近くから三本に分かれた小ぶりの栗の木があり、一年に三度も実を結んだという。昔、孝順寺を開いた専念坊が亡き父の年忌に親鸞上人を招いた。上人は数か月この寺に留まって浄土真宗を広め、帰りぎわ専念坊は土産に焼き栗を持たせた。上人はそのうちの一粒を、自分の教えがこの地で栄えるなら年に三度実る栗になれと言って土に埋めた。それが芽吹いて育ったのがこの木で、『山ぐり』とも呼ばれた。昭和二十年ころに枯れ、その後は切り株も朽ちてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。