慈覚大師の霊夢と恐山の開山
どんな伝承か
恐山は、死んだ人ばかりか命あるすべてのものの魂が帰る山と言われ、日本三大霊場のひとつに数えられる。伝説では、貞観元年に慈覚大師円仁が開いたとされる。唐にいた大師の夢に聖僧が現れ、帰国したら東方に地獄のさまを見せ病を癒やす湯の湧く霊山があるから、地蔵を刻んでお堂を建てよと告げ、目覚めると傍らに地蔵経が置かれていた。帰国後、下北の山頂から湖と煙、白砂の浜、湖を囲む八つの峰を見た大師は夢の地と悟り、地蔵を刻んで庵に祀った。山の神が大師の食事を炊いた釜を山頂にかぶせたので釜臥山といい、湖を知らせた鵜から鵜剪山、のちに宇曽利山、恐山となったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。