黄金を溶かし込んだ宝国寺の鐘
どんな伝承か
昔、罪を犯して首をはねられることになっていた男がいたが、比田井の宝国寺の住職が助けたので、すんでのところで命拾いをした。男は罪を悔い、命の恩に報いようと諸国をめぐる旅に出た。行く先々で喜捨された黄金を溶かして釣鐘を鋳させ、宝国寺に納めたという。黄金を混ぜた鐘の音は見事で、近郷はもとより、遠い追分宿の飯盛女のもとへ遊びに出ていた里の者さえ、その音を聞いて帰ってきたほどだった。今は鐘の下に池ができて音を吸い込むため、遠くまで響かないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
望月町誌 第2巻 (民俗編)(望月町誌)
『望月町誌 第2巻(民俗編)』の伝説の節を抜き出したものである。旧望月町(いまの佐久市)の集落ごとに、植物・石・清水と池・岩穴と塚・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・稲荷・動物・巨人・化け物・禁忌・カッパ・地名の伝えを並べる。望月の駒と生駒姫、梅円坊の化け物退治、彦狭島王の王塚、長者原の長者、ゴマを作らない村々の言い伝えなどが見える。