御神体を盗んだ神官と白菜の禁忌
どんな伝承か
中倉の筒地に住む阿部家の先祖は、昔、棚倉の八槻様で鍵を預かる神官を務めていたという。ある朝、早く着きすぎて暇を持て余し、いちばん奥の扉を開けてみると、見事な御神体が納められていた。先祖はそれを盗み出して論田の名花へ逃げ帰ったが、御神体は白菜の畑に捨ててしまった。そのため八槻様の祭りの日には、白菜を食べてはならないと言われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平田村史 第3巻 (民俗編)(平田村史)
『平田村史 第3巻(民俗編)』の昔話と伝説の章から、伝説と世間話の節を抜き出したものである。福島県石川郡平田村の大字・字ごとに、八幡太郎義家や日本武尊にまつわる地名の由来、河童石、姥捨ての十石山、平堂内の大蛇、鶴殺し南兵衛、狐に化かされた村人の話などを収める。阿武隈の山あいの村に残る、石と塚と小さな祠にまつわる伝えが中心である。