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御柳を煎じよと説いた麻疹の廻文

所在地福島県郡山市
年代享和三年(一八〇三)
登場庶民、医家
出典疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情

どんな伝承か

享和三年は全国に麻疹が大流行し、多くの死者を出した年である。守山領にも廻文がまわされ、薬と養生の心得が細かに示された。薬は御柳、すなわち観音柳とも西河柳ともいうシダレヤナギで、樹と葉を大人は一帖三匁、小児は一匁ずつ煎じて飲む。身重の女は蓮の巻葉を別に煎じて併せ用いよという。食物は、うるだんご・甘酒・飴・黒豆・小豆・長芋・大根・干瓢などに限り、生では食べぬこと、豆腐・麩・茗荷・鰹節などは食べてよいが、油の強い魚鳥や葱の類は七十五日を過ぎるまで忌むべしと戒めている。御柳が広く用いられるようになったのは、この享和の流行からだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情(昼田源四郎・昭和中期(推定))

本書は江戸時代の陸奥奥州守山藩領における『御用留帳』を史料とした、近世農村の医療事情と心霊現象の研究である。狐憑きや物付きなどの精神疾患が、祈禱や指籠入れ(座敷牢)によって治療された実例を14件詳述する。天明・天保の飢饉や流行疫病(疱瘡、麻疹、コレラ等)への対応と並行して、乱心者の社会的処遇、責任能力の鑑別問題、欠落(逃亡)との区別が論じられている。

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