屋敷神として守る疱瘡神様の祭
どんな伝承か
家の屋敷の神である疱瘡神様を祀る話。正月二十六日には赤飯を炊いて供え物をあげ、家だけで祭りを行う。夕方になると人が詣りに来るので、御神酒を出して祝った。毎朝、線香と燈明と御飯を欠かさず、賽銭や蜜柑・バナナが供えられていることもある。この神に詣ると熱が下がり疱瘡が軽く済むといわれ、昔は大勢が詣りに来て、治った礼に幟を奉納した。その幟は正月二十六日の命日まで仕舞っておき、当日は大門へずらりと立てて皆が詣ったという。北国分の田中いそが語った。
原典より
だけども、家じゃ、家の屋敷の神様だからね、正月の二十六日には赤い御飯炊いて、こんなおそなえあげて、お祭りやんですよ。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。