中山法華経寺の題目祈禱治療
どんな伝承か
千葉県市川市中山の正中山法華経寺(日蓮宗)では、鬼子母神堂の広間に座り、合掌して太鼓に合わせ大声で南無妙法蓮華経と唱える修法により精神病者の治療が行われた。滝は無く、井戸水を一日一回頭に注ぐ。大正六年、堂の背後の丘に中山療養院が設立され、加持祈禱による精神医療と医学的療法を並用する治療がなされた。調査した三宅鉱一は、付憑・邪祟を病因とみなし催眠術に類する方法を用いた開放的な収容制度と評している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶(川村邦光・1989年(平成元年))
『幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶』は、川村邦光が一九八九年に著した近代日本の民衆の心性をめぐる論考である。明治の「血税一揆」の流言、トラホームと〈迷信〉、狐憑きと精神医学、「脳病」「神経病」、座敷牢と精神病者監護法、芦原将軍や出口なおの神がかり、祖先教と靖国の霊魂の管理を、新聞記事や医学書、調査報告から読み解く。はじめにの後に三部と終章「近代日本と霊魂の行方」を置き、あとがきで結ぶ。