左右の眼が金と銀に光る市川の犬
どんな伝承か
高崎で評判になった金と銀の目の猫と並べて、昭和の怪犬として紹介された話である。それより前、千葉県の市川町に栃木屋という料理屋があり、ポチという二歳の犬が飼われていた。この犬は左の目が金色、右の目が銀色にきらびやかに光るというので大変な評判になった。そのうえ夜になると、両の目の色が赤と青の二色に変わり、なんとも美しく見えたという。
原典より
千葉県市川町に栃木屋という料理屋があったが、その家に飼われているワン君ポチ(二歳)の眼は左が金色で、右が銀色燦然たる光りを放つというので、大評判となり、…—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。