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馬を引いた河童と椀貸しの約束

所在地長野県大町市八坂舟場(藤塚)
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典八坂村誌 民俗編・民俗編資料

どんな伝承か

舟場の坂井氏の家に伝わる話である。昔この家の若者が五月に田の代かきに出て、昼休みに馬をそばの藤塚につないでいると、何者かが手綱を取って馬を犀川へ引いていった。水へ引き込まれそうになった馬は驚いて跳ね、家へ駆け戻った。手綱の輪に手を入れた河童が引きずられていたが、厩に飛び込んだ拍子に姿を消し、伏せてあった飼葉桶を上げると中にうずくまっていた。叱られた河童は命乞いをし、要る物を紙に書いて川へ投げれば必ずそろえると約束した。放してやると白砂の河原に品が出されたが、借りた椀の花笠を一つ欠いて返してからは何も貸さなくなったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

八坂村誌 民俗編・民俗編資料

『八坂村誌 民俗編・民俗編資料』の口頭伝承の節から、伝説と昔話を抜き出したものである。長野県大町市八坂(旧北安曇郡八坂村)の大姥山と鷹狩山の山姥・金時の伝え、池の主と大蛇、城跡と長者屋敷、狐・狸・むじな・山犬・天狗・河童の話、社寺の由来、雨乞いの伝えなどを、集落ごとの聞き書きで収める。犀川の谷あいの山村に残る、山と獣と水にまつわる話が中心である。

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