光を放ち岩屋へ飛んだ観音
どんな伝承か
明治の初めに神仏分離の令が出た。稲荷と社を共にする留場の観音の扱いに村人が迷ううち、ある夜、上の台の若者たちが像をひそかに運び出し、丹治という力士が背負って自牧寺近くの岩屋に隠した。観音の持ち主をめぐって後沢東と上の台が争っていたある年の八月の夜中、にわかに天地が揺れ、観音は光を放って北西へ飛び去った。翌朝探すと、自牧寺の裏山の尾根にある花見岩の西の岩屋に観音が立っていた。上の台の人々は花見岩を飛着岩と改め、斜面を平らにして堂を建て、観音と仁王を安置したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東根市史 別巻 上 (考古・民俗篇)
『東根市史 別巻 上(考古・民俗篇)』の伝説と民話の節を抜き出したものである。山形県東根市の藻が湖と東根・西根の地名、黒伏山の御穴と竜灯、御所山の天狗と甘露水、自牧寺の七妖怪と夢窓国師、マリア観音、若木神社の縁起、大滝の大カツラと乱川の起源、三ッ屋の竜灯や人形渕などの民話を、項目ごとの箇条で収める。