網に繰り返し掛かった金無垢の観音像
どんな伝承か
浅草の観音像が漁師の網に掛かり、隅田川の河口から引き上げられたという伝説は名高い。場所はおおむね今の駒形橋のあたりとされる。推古天皇の時代、土師臣中知という男が桧熊浜成・武成の兄弟と網を入れると、魚は捕れずに一寸八分ほどの金無垢の観音像が上がった。魚を捕りに来たのだからと海へ投げ返しても、また同じ像が掛かる。諦めて持ち帰り、泥にまみれた像を兄弟に譲ったが、兄弟も持て余して道端の切り株に置いたままにした。そこへ子供が来てアカザで屋根を葺いた堂を作って遊ぶ。これが浅草の起こりだという。
原典より
◆五百羅漢像を巡る史話 伝説が伝える大親分権之助 義興の霊を鎮めた渡し守血ぬられたはりつけ柱◆池底に沈む財宝霊験あらたかな地蔵の姿絵名妓薄雲太夫を救った愛猫三河島事故の怪◆侍女達を従え投身自殺した足立姫 大蛇に化身した新…—— 心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。