楊貴妃か安徳帝か久津の墓の謎
どんな伝承か
旧大津郡油谷町久津の二尊院の境内に、楊貴妃の墓と伝わる墓があり、身ごもった土地の女性たちは楊貴妃のように美しい子が授かるよう何度も祈るという。伝説では、楊貴妃は中国で死んだと見せかけて海を渡り、日本へ逃れる途中に久津沖の日本海で時化に遭い、その亡骸が久津に流れ着いたとされる。ところが二尊院の住職自身が、これは楊貴妃ではなく安徳帝の墓だと言い出した。文治元年に壇の浦で入水したとされる帝が、実はひそかに久津に隠れ住み、この地で亡くなったというのである。ほかの墓がみな西を向くのにこの墓だけは都のある東を向き、高貴な人の「貴族構え」の形をしていることを根拠に挙げている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。