呪術で絶壁に投げ入れた投入堂
どんな伝承か
呪術で世を騒がせた罪で六九九年に伊豆へ流された役の小角は、許されたのち東伯郡の三徳山に来て山にこもったという。七〇六年、小角は堂を建てて自ら彫った金剛蔵王を納めようとしたが、場所は北側の岩壁の中腹で、手がかりもない百メートルを超す絶壁だった。そこで小角は地上で組み上げた蔵王堂を、呪術で岩壁の洞窟へ投げ入れたと伝わる。これが国宝三仏寺蔵王堂、別名投入堂の名の由来である。ただしこれを裏づける記録はなく、蔵王像の胎内から仁安の年号が見つかったことや、堂も平安期の建物と推定されることから、伝説とは時代が合わないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。