裸で山へ逃げた天理教の信者たち
どんな伝承か
明治三十五年四月、産室に神を迎えるためとして川代の信者たちが御神楽踊を続けるうち、家のまわりを清潔にしなければ神は下りてこないと誰かが叫び出した。信者は自宅へ駆け戻って厩の乾草を川辺へ運んで焼き、さらに不浄なものはすべて焼き尽くせという声に、家中の物から着物までを持ち出して焼き、自らも丸裸になって下帯まで焼いた。駐在のS巡査と隣村のK巡査が駆けつけたが、信者は裸のまま村の後ろの小山へ隠れた。山を登った巡査が震えていた支部長を説諭すると、皆ようやく本心に返った。旧刑法により重立った者三十名ほどが十日の拘留に処された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽・大正10年代~昭和初期(推定1920年代))
二重人格の諸事例(變態心理と犯罪)/アンセル・ボーン/フェリダの交替人格/変態心理と犯罪/催眠と記憶障害/憑依とされた病理の科学的説明