神命の受諾で癒えた一家の病
どんな伝承か
天保九年十月二十六日朝五ツ時(八時)、夫善兵衛がついに「ご神命ことごとくお受けつかまつります」と神命を受諾すると、みきに憑いていた霊は「これで神も満足満足」と喜び、そのまま立ち退いた。みきは長夢から醒めたように常態へ復し、少量の粥を食べて深い眠りに落ちた。同時に善兵衛の眼痛も、秀司の足痛も拭うように全治し、一家三人の病気が神霊降下とともに治った。この神秘体験を経てみきは「元の神・実の神」の生宮としての自覚に至り、後の天理教教祖となった。
原典より
神霊降下と共に、みきを含めて一家三人の病気は拭うが如く全治したのだった。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。